【Neuro/CD】 -Tokyo N◎VA The Detonation Online Scenario Book/CD- § オンラインアクトガイド § |
ニューロ! やあ、お友達。充実したN◎VA ライフを満喫しているだろうか? ん、あまり遊べていないだって? 中々人が集まらない? 近くでN◎VA をやっている人が少ない? 時間の都合が付かない? やれやれ、そんな事か。まさに時代はニューロエイジ、電脳の網ウェブが世界中に張り巡らされ、何時でも何処でも人と人が繋がりあえるようになったこの時代に、それを利用しないなんてCD過ぎやしないか、お友達? と言うわけで、ここではウェブを通じて『トーキョーN◎VA The Detonation』を遊ぶ、いわゆる“オンラインアクト”について、我々が普段遊んでいる中で得たノウハウなどを少しだけ紹介したいと思う。 ■オンラインの長所・短所 オンラインアクトの最大の利点は、何と言っても「どこに居る相手とも気軽にゲームができる。」と言うことだ。TRPG が活発に行われ、コンベンションなども多く存在する都市部ならともかく、TRPG を遊ぶ機会や人を集める事すら困難な人は意外に多いだろう(かくいう筆者もその一人だ)。その点、オンラインであればいつでもどこでも、都合さえ合えばアクトが開催できるのだ。 また、オンラインアクトでは文字を使ったロールプレイがメインになる。これは、オフラインで遊ぶ時とは全く異なる趣向のロールプレイになる。表現にこだわってじっくり遊んだり、普段は恥ずかしくて演じられないようなキャラクターでも比較的抵抗無くロールプレイできてしまうのは、オンラインの魅力の一つだろう。 欠点としては、「とにかく時間がかかる。」と言う事が挙げられる。文字を入力するのにも時間がかかるし、数値のやりとり、カット進行の距離の表現なども、オフラインでは簡単に処理できても、オンラインでは工夫しないと時間がかかってしまう。これらを克服した遊び方をする事が、より良いオンラインアクトに繋がるだろう。 ■オンラインアクトの会場 オンラインアクトを遊ぶ環境はいくつかの種類がある。代表的な物をいくつか挙げると、以下の様になる。 ・IRC(インターネットリレーチャット) ・メッセンジャーソフト ・CGI チャット ・Skype(インターネット電話) これらにはそれぞれ、利点と欠点がある。個人的にお勧めしたいのは、IRC によるプレイだ。 IRC はシンプルなインターフェイスで見やすく、動作が速く安定している、ソフトによっては発言文に文字修飾が簡単に行える、といった利点がある。ログの保存も容易であり、チャンネル名とサーバーの設定だけで誰でも簡単に集まる事が出来る。ユーザー名に半角英数しか使えないのが難点だが、非常に使いやすい環境である。 IRC の導入方法は、「IRC」や「IRC TRPG」などのワードで検索すれば、すぐに詳しい方法を解説したサイトが見つかるだろう。 ■事前準備 最初に述べた通り、オンラインでのゲームは非常に時間がかかる。じっくり遊ぶのは良いが、無駄な空き時間などが多いとストレスも溜まる。この為、プレイ前やキャストがシーンに出ていない間の時間などに行う“準備”が、非常に重要になってくる。 ここでは、しておくと良いであろう準備を列挙する。 ●プレアクト 意見交換や相談などの伝える情報が多いプレアクトは、可能な限り事前に済ませておいたほうが良い。 BBS やSNS コミュニティなどを利用すると良いだろう。RL がトレーラーとハンドアウトを提示し、PL に各自、枠の希望順(と、有るならば使いたいキャストのデータやイメージ)を書き込んでもらうようにするとスムーズに枠決定ができる。 キャスト間の〈コネ〉回しは、事前に行っても良いし実際に集まってから行っても良いだろう。 ●よく使うコンボの書き出し キャストは大体、よく使う技能・特技の組み合わせを持っている。これらを判定の度にいちいち打ち込んでいては時間のムダとなる。 よく使うコンボに関しては、技能の組み合わせや使用する武器、攻撃力、判定の基準値などをコピー&ペーストですぐ示せるようにメモ帳などに書き出しておくと良い。使う最大の物を書いておき、適宜削る形が便利だ。カードの種類は、スペードの4ならS4、ダイヤのK ならDK といった表記にすると分かりやすいだろう。 尚、文字修飾が出来るIRC ソフトの場合は達成値やダメージの値をタグなどで太字にしておくと見やすい。 ●シーン冒頭の演出の書き出し シーンの冒頭には、キャストがカッコよく登場する演出などを行いたくなるものだ。こういった演出は、事前に書き溜めておくとコピー&ペーストでスムーズに行うことができる。 RLは可能な限り、早めに次のシーンの目的などをシーンプレイヤーに伝えるようにすると良い。そうする事で、プレイヤーの演出とシーンとの齟齬が少なくなる。たまには、シーン内の描写やNPCのセリフまでもプレイヤーに任せてしまっても面白いかもしれない。 ●辞書登録 情報が文字に限られる以上、特技や神業、アイテムなどはそれが一目で何を意味しているのかを分かるようにしていたほうが良いだろう。 技能であれば〈社会:ストリート〉、神業であれば《電脳神》などと言った書式で、使う分だけでも辞書登録するようにしておくと、スムーズにプレイができる。 ■プレイ方法 オンラインで遊ぶ際、オフラインとはかなり異なるノウハウが必要になる。ここでは、オンラインアクト独特のノウハウを紹介する。 ●トランプの用意 トランプは、すべてのプレイヤー、RLが1 デッキずつ手元に用意するようにすると良い。トランプを配るソフトを探したり自作しても良いのだが、手間がかかる。 処理が重くならないように、判定に使用したカードだけ自己申告するようにする。誰も見ていないからといってイカサマなどしない事。 ●ニューロデッキの準備とシーンの開始 ニューロデッキはRLが準備し、シーン開始時に提示すると良い。 シーン開始時には、「●シーン番号:シーンタイトル」「シーンカード(と、その暗示)」「シーンプレイヤー」などを明記し、その後1行の空白改行を挟んでからシーンを始めると、非常に見やすいログとなる。 ●2窓体制 文字と言う形で発言が残る以上、アクトと関係の無い話やRLへのデータ的な質問などがログに溜まると、閲覧性が悪くなってしまう。プレイ窓は2つ作っておき、片方をアクト窓、もう一方を雑談窓としておくと良い。 IRC であれば、「#(シナリオ名)」「#(シナリオ名)裏」といったチャンネル 名にしておくと分かりやすいだろう。[舞台裏]に関してはゲームの一部である為、アクト窓で行う方がいい。 この方法にはもう一つの利点がある。アクト窓のログだけを切り出せば、簡易的なリプレイが出来上がるのである。楽しかったアクトの記録メモリがリプレイとして残ると言う感覚は、オンラインだからこそ手軽に得る事が出来る楽しみの一つだ。 ●発言の切れ目 オンラインでは、やり取りできる情報が文字のみである。仕草や雰囲気などが分からない為、まだ相手の発言が続くのか、それともレスポンスを待っているのかがわかりづらい事がある。 この為、我々は発言の切れ目に「/」をつけたり、特に邪魔されたくないセリフや演出が続く時に「>>」を付けたりする事で他者への意思表示としている。 あるいは雑談窓で「もういいよ。」「まだ続きます。」等の意思表示を行うのも良いだろう。 ●1アクトを複数日に分けてプレイ オンラインのアクトは、通常のアクトに比べて3倍ほどの時間がかかると言われている。長時間の連続プレイは疲れるし、集中力も続かない。また、そんな長い時間を参加者全員が確保する事も難しいだろう。 我々は1アクトを3〜5回程度に分けて、1日のプレイ時間2〜3時間程度にしてプレイしている。この方法だと、平日の仕事が終わった後などでも、比較的時間の確保が楽なのだ。 ■充実したアクトを行う為に ●雑談窓の重要性 自身の登場していないシーンでは、雑談窓でアクト窓の演出などへ「カッコいい」や「面白い」といった反応をすると良い。オンラインでは、オフラインの時と違い、相手の表情が目に見えない。どれだけその人のロールプレイをカッコいいと思っても、発言しない限りその感情は相手に伝わる事は無いのだ。プレイヤーが「このロールプレイは決まった!」と思った時、回りが無表情だった時の虚しさは著しくモチベーションを下げる。例え周りは「カッコいい!」と思っていたとしてもだ。 雑談窓は単なる雑談(チャット)をするだけの予備会場では無い。どれだけ雑談窓を盛り上げられるかは、アクトの成功に重要な要素の一つなのだ。雑談窓には、アクトに参加しない「観客」も発言できるようにしておくと良いだろう。キャストのカッコいい演出などでギャラリーが沸くと、プレイヤーもモチベーションが高まる。これもまた、オンラインならではの醍醐味だ。 ●発言はテンポよく 沈黙は恐怖であり、不安や苛立ちを呼ぶものだ。オンラインアクトにおいて長時間発言が無い事はストレスの原因になる。セリフや演出は長々と書き溜めず、テンポ良く行う事。考える時間が欲しい場合は休憩を取った方が良いし、長い演出をしたい場合は事前に文章を打ち込んでおくべきである。 ●演出の工夫 折角オンラインで遊ぶのだから、オンラインでしか出来ない演出といったものを積極的に導入してみよう。 文章に自信がある人ならば、小説的な文章を書いても映えるだろう。また、IRC などでは文字の修飾ができるものも多い。強調部分や大声を出したセリフなどを太字にするだけでもインパクトはある。血という文字を赤くするなど、文字の色を変える事での演出も出来るだろうし、あるいは改行に工夫をするだけでもかなり見栄えのするログになる。色々調べて実践してみて欲しい。 うるさくなり過ぎない程度には、様々な演出手法を使ってみても楽しいアクトになるはずだ。 ■オンライン用シナリオ シナリオは通常、オフラインで集まって遊ぶ事を前提に書かれている。これをそのままオンラインで回すと、処理が重く時間がかかりすぎる事がままある。 オンラインに向いたシナリオを用意する際に、気をつけたほうが良いと思われる点(あるいは、本シナリオ集に掲載されているシナリオの特徴だ)を列挙する。 ●プレイヤー人数 オンラインでのプレイ人数は、1〜3人程度が丁度よいだろう。多くなればなるほど、プレイ時間は長くなる。 ●判定の機会 判定は計算などの処理が入る関係上、最も時間を要する部分だ。ギミックは無いと寂しいが、有りすぎても時間がかかる。 判定の機会は増やしすぎない事。リサーチフェイズにおける情報項目は、全体で10項目程度に収めると良い。 ●ゲストの強さ オンラインにおけるカット進行は、非常に重いし時間がかかる。ガッツリと戦闘を遊びたい気持ちは分かるが、できるだけ敵は強くしすぎないことをお勧めする。 『STL』P134 に記載されている、「●ゲストの作り方」の項目がとても参考になるだろう。 ■最後に ここに示したのはオンラインアクトのノウハウのごく一部に過ぎない。我々のプレイスタイルが最適では無いし、環境に合わせたプレイスタイルというものもある。 ただし、これだけは言える。オンラインアクトは、オフラインとはまた違った無限の可能性を秘めていると言う事だ。 もし、ここに書いていない素晴らしいノウハウを知っていたり、見つけたりしたら教えて欲しい。また、楽しかったアクトのログは、是非沢山の人と共有してほしい。 楽しみの共有、それこそがオンラインアクトの醍醐味であるし、我々もまた、それらに触れられる機会シーンを心待ちにして居るのだから。 |
(c) ニューロ/CD製作委員会 |